それ以前のポリスにはなかった、暗く陰鬱(いんうつ)で一貫したテーマをもつ本作は、ほぼすべてのナンバーで、現代政治とテクノロジー文化のマイナス面を取り上げている。唯一の例外は「Every Little Thing She Does Is Magic」で、この完璧なポップ・ソングはラジオでヒットした。その他のナンバーはさまざまな問題を扱っている。抑圧に抵抗しようとする潜在的な願望、ほとんど工業化されていない世界の放棄、毎日爆撃のように脳に浴びせられる過剰なまでの言葉とイメージ、個人的な意見や政治的な主張を通すためにしばしば振るわれる暴力。それらが、ポリスにとっていつになく濃密な、何層にも音を重ねたアレンジで表現されている。アンディ・サマーズのギターラインはこれまで以上に優美で、スティングのベースはキーボードやサックスで味付けしたサウンドとミックスしながら軽くつま弾かれ、それをスチュワート・コープランドの正確無比で個性的なドラミングが押し進める。ポリスに最高の成功をもたらしたのは、アルバムとビデオがともに大ヒットした『Synchronicity』だが、ポリスの最高傑作と言えば本作である。(Albert Massa, Amazon.com)

 ・ amazon : Ghost in the Machine

 ・ Spotify : The Police : Ghost in the Machine (1981)