ニューヨークはブルックリン生まれのシンディはこの本作にしてすでにグレイテスト・ヒット・アルバムを生んだようだ。MTV時代に自らのヒット「ガールズ・ジャスト・ウォナ・ハヴ・ファン」「タイム・アフター・タイム」を飛ばし、当時500万枚を売り上げ一躍当時の女の子の憧れ的存在となった。シンディのようにダンスをし、洋服を着て、街を歩くことが合言葉になった。シンディは当時も今も輝いている。(1983年作品)

シンディ・ローパーの『She’s So Unusual』を聴いて、彼女のキャラクター的な存在感しか思い出せなければ、それを振り払って音楽だけに集中してみてほしい。実は彼女は、素晴らしく情緒的な声を持っているのだ。彼女のボーカルはいたずらっぽく聴こえるが、しっかりとした強さ、アーティキュレーション、ニュアンスがある。『Time After Time』(後にEverything but the GirlとMiles Davisがカバーしたのも彼女が素晴らしい証拠である)は心の琴線を震わせ、『Girls Just Want to Have Fun』は軽快。『All Through the Night』は切なく、『She-Bop』は強さを感じる。これらに異論のある人はいないだろう。楽曲としてのアレンジもとても革新的でおもしろく、間違いなく1980年代の音楽だが、そのサウンドは時代遅れではなく陽気だ。このデビューアルバムは、彼女が自身を卑下したりパロディーにしたものでもなく、自分を讃えたものだ。もう一度聴いてみれば、後ろめたい思いもなく、楽しむことができるだろう。Beth Bessmer

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ディスク:1
1. Money Changes Everything
2. Girls Just Want To Have Fun
3. When You Were Mine
4. Time After Time
5. She Bop
6. All Through The Night
7. Witness
8. I’ll Kiss You
9. He’s So Unusual
10. Yeah Yeah